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あらすじ
2005年春、一人の老画家が太平洋戦争中にセレベス(インドネシア・スラウェシ島)で描きためたスケッチや油絵を編んで一冊の画集を出版した。
その画家は帝国海軍派遣教師としてセレベスに赴任し、日本語と美術を教え、米軍の爆撃をかいくぐり、教え子たちとともに2年半あまりを生きた。
外地から還って来た日本人は、それぞれの地に何を遺してきたのだろうか。侵略者日本の加害者としてどのような痕跡を残し、被害者としてどのような惨劇に出会い、人間として生きようとどのような心を伝え遺してきたのだろうか。
「メモリーズ・オブ・セレベス」は、ある老画家が88歳の高齢をおして臨んだ60年目のセレベス再訪の旅の記録である。その旅は、普通の一日本人が戦時中、セレベスで遺してきたものを見つめる旅であった。

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